世界各地の遺跡を借り宿にする男「ヴィクトール・コフィン」

NPC

VR1122年生まれ 男性 色相の転換者

ヴィクトール・コフィンは、出身地不明、フロウタール全土で目撃されている転換者の一人である。彼に付いた柩、というファミリーネームが本名なのか、通り名の一つなのかは定かではない。

来歴

そもそも、その名前の真偽そのものが議論されるようになったのは、彼自身の各地での目撃情報とともに、一つの噂がまとわりついているからである。

その噂とは、彼が寂れた遺跡の近くや廃墟、場合によっては廃屋の中で一人野営している時、彼の身につけた装飾品や荷物を狙って襲ってくる野盗の類をその都度皆殺しにし、マキやヒノキの生えた山中ならそれらのうちの一本を斧でなぎ倒し、周りに石しか無いのならそれらの一定の大きさのものを拾い集めて、簡素な石棺や木棺を作り出し、自身の殺した者たちへの供養と土葬を終えてからでないと次の目的地へ向かわない、という如何にも創作されたかのような内容のものである。

工具も何もない山中や川辺で、実際に精巧な柩を作ろうとしたらそれだけで日が暮れてしまうし、その間に野犬や猿、カラスが死体に群がらないとも限らないから、この噂自体はかなり怪しいものだが、問題は既に別の次元に移っている。

というのも、フロウタール全土で一般的なザン教の信仰では、土葬は認められず、火葬しか許可されていない為、この噂がヴィクトールについて語る時に話題に上るたび、必ず、そこには古めかしい、色相の転換者に語る時にイメージされる一定の像が(はみ出し者とか、反逆者とか)、無意識の間のうちに付帯され、色付けられていると思われるからである。

他方、そうした視点を追認するように、、ヴィクトール・コフィンの多くの別の目撃談によると、彼は柩の噂とは異なるもう一つの特徴によって、即ち、四肢に対する色の配分の美しさによって予め徴付けられてもいる。

エロイーズの女を抱いたのなら顔から首筋にかけての皮膚が黄金に染まり、ディレリアの娼婦の相手をしたのなら手の指先が緑色になり、イスの町娘を拐かしたのなら毛髪が水色に染色され、パルスプラントの村人と一夜を共にすれば腹部は桃色に変じ、スレッドの婦人を組み伏せたならば両腕は真っ赤に染め上げられ、首吊り島で幽霊と一体化すれば足が薄っすらと青みを帯びる、というのが、色相の転換者の身体の特徴であったが、他ならぬ、ヴィクトール・コフィンの体は、今、上に述べたことを全て追認するように、フロウタール全土の写し絵の如くしなやかに染め上げられていたのである。

実際に、彼がその色合いのバランスを保つために敢えて女を抱かず、禁欲生活を自身に強いているかは分からない。が、いずれにせよ、彼自身の体の色合いの美しさと、それに平行した転換者以外の者からの忌避の念、柩に関する噂は、ある意味で典型的な色相の転換者に付随するイメージでもある。子孫を残せず、刹那的に生きざるを得ない彼らの体は、フロウタールの人民にとっては羨望の的でもあり、であるが故に、疎ましさにとっての最適な対象でもあるというわけだ。

ヴィクトール・コフィンに関する最後の目撃情報によると、彼は長く滞在していたステル・リ・タニウ遺跡の手前の川辺を離れ、東に向かったと言う。彼の、柩に関する噂を自身で確かめたくないのであれば、仮にどこかで彼を見かけたとしても、遠目からその身体の色彩の美しさを眺める程度に留めておいた方が賢明というものだろう。

日々の行動と能力

1 ファリエルの茎の匂いをかぐ

2 抱いてきた女の色を想う

3 遺跡を調査する

4 野営に必要な薪を集める

5 剣術に興じる

6 柩を作る

SPECIAL
7856767
闘争華美飽食享楽不寛勤勉渇望
111111
空間時間
33
保持スキル剣技料理野営

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