キャラスタジオの要素がそっくりそのまま使えるのかと思ったら、かなり違いましたね、コレ。この項では特にアドベンチャーパートの作成における、その相違について記載します。
まず断っておきますが、私自身、全くエモクリを盛り下げようという気はありません。むしろ、このアドベンチャー作成ツールを使って、色々遊べたらな、と思っている所です。ただ、現時点ではコイカツキャラスタジオを標準とした場合、削られた要素が多すぎますね。今後のアップデートに対する期待と公式への要望も込めて、以下ではキャラスタジオではできていたのにエモクリではできなくなった要素を列記していきます。
(記事執筆時は発売直後です。その後追加されてたらスイマセン)。
2019年5月24日追記:
(衣装の自由切り替えはその後のアップデートで可能になりました)。
1 歩行などのアニメーション設定
これがアドベンチャーパート作成においてできないのが、マジで痛すぎる。例えて言うと、いわゆる昨今のCGアニメーション的な描写、はこのゲームのシーン作成においてはできず、昔なつかしい、一枚絵の紙芝居風の静止画でのシーン展開しかできない、ということになります。
また、これに伴って、わたしが別記事のキャラスタジオTIPS集、で論じたアニメーションを途中で静止させることでのポーズ設定の簡単増殖、の技法もできないことになっております。まあ、この点については、今回IKとFK設定によるポーズ制作が直感的になってますので、トレードオフな部分ではありますが。
2 キャラ移動、カメラ移動のルート設定
上記のことに合わせて、そもそもアニメーション自体がパート内でできないのですから当然といえば当然なのですが、ルート設定、というキャラスタジオにおいて最も煩雑、かつ優れた要素も現時点(発売直後)では完全に排除されております。
これが何を意味するかと言うと、勿論、キャラクタを特定ルートに沿って走らせたり歩かせたりすることは不可能になっているのですが、さらに加えて、いわゆる簡単なカメラワークのようなものも採用不可、ということですね。
パン、ティルト、移動撮影、など、アニメ制作ではシーンの動きを出すために当然採用されているべき効果も、ほぼ出せない、ということです。
3 カメラ設定の複数記憶
さらにそこから派生して、カメラ設定を複数保存して、マルチアングル的に色々な構図を試す、というUI上の操作も今回はできません。しかしながら、この点については、特定の位置を「保存」しておくことも可能ですので、上記二つの決定的な欠落と比べれば、些細なものかも知れません。
4 MAP移動のボタン
同様に、UIにおいて削られた点としては、MAPそのものの注視点の簡易移動のためのボタンもその一つであります。
これは地味に痛い、部分でしょう。特に廊下などの注視移動を頻繁に行うべきMAPでは、矢印キーを使用した移動はその都度骨が折れます。
5 1シーンに対するキャラの登録人数
この点に関しては、8人で十分、って方がほとんどなのではないかとも思われます。なんか、10人以上のキャラを使って集合写真、みたいなのはかなり特殊な状況ですしね。
ただ、問題は、次に記載する衣装枠の切り替えの不可能性、との兼ね合いを考慮したときに表れます。もしあるプレイヤーが登場人物8人のノベル系ゲームを考案した場合、仮に衣装枠の自由切り替えが可能だとすれば、それこそ1シーンだけで、キャラを固定し、一気に最後のチャプターまで分岐を含みながら構成する、ということも可能であるでしょう(どれだけメモリ食うかは知りませんが)。
しかし、現在の仕様だと、その間、一切衣装を変更できないことになってしまう。これは悲しすぎますね。ですんで、個人的には、このシーン内でのキャラ固定のままの衣装の自由切り替え(もしくはキャラ登録数の上限の撤廃)は、至急実装して頂きたい要素ではあります。
コイカツ、の方も、アップデートを重ねるごとにフリーモードの起動が早くなったり、という過程があったわけで、今回のエモクリも、登録人数の上限、などの容量関連っぽい要素は、徐々に拡張していってほしいものですね。
6 行為シーンへのシームレスな移動
以上、述べてきたことの必然的な帰結として、当然、アニメーションシーンとしての行為シーンは別枠で「Hパート」として作らなければいけない、ということになります。
正直、この点が「エロゲ一本、まるまる作れちゃう」という公式の謳い文句からは乖離している部分ではあるでしょう。いや、本当に繰り返しになりますが、私個人としてはエモクリを盛り下げる気はまったくないし、むしろ、このゲーム内での構築のためにかなり準備はしてきたつもりだったんですが、予想していた仕様とかなり相違があったのも事実です。(Hシーンの作成手順への言及については↓を参照下さい)
結論を言うと、Hパートの作成側に、キャプションを付けられない、ことと、それら台詞に伴ったカメラワークの設定もできない、この2つの点が致命的ですね。
要は、アドベンチャーシーンの側で、このゲームのユーザーであるシーン製作者が、意図して作り上げてきたカメラワークと台詞を伴った展開を、読み込みを経た後のHシーンの側では、完全に放棄し、プレイヤー側に神目線としてのカメラの自由な寄りや回転を委ねて、そのシーンが終わった後に、再び特定のカメラワークと台詞を伴った「語り」を取り戻す、ということになる。
いわゆる18禁ノベル、を考慮した場合、こういった仕様は考えられないでしょう。逆に言えば、他の行為シーンに活用する以外の通常のアニメーションも含め、是が非でも、シーン作成そのものをアドベンチャーシーンの方に統合すべきだったのではないか、これが、現時点でのエモクリを一週間程度触ったわたしの率直な感想です。
とは言え、今、上に述べたことも含め、特に今回はユーザーの側の「使用感」によって改善されていくべき点も多い、かとも思われますので、自分自身が非主流的な意見の保持者であることを自覚しつつ、現時点でできる範囲で自分の考えるノベルを作っていこうと思います。では。
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