世界全土を孕ませようと目論んだ男「フラウド・マッソン」

NPC

VR1094年~1145年(故人) 男性

フラウド・マッソンはエロイーズのウロ出身の男性である。本人は、ウロのシャグダイン家の末裔であると吹聴していた。

来歴

彼は、その異名の通り、極端な絶倫、極度の色情狂としてその名を知られている。生前の彼自身の企んだ計画は、至ってシンプルなもので、生きているうちに、一体何人の女を孕ませられるのか、を、実際に試してみることだった。

当然のことだが、世界の女性は命を育むまでに十月十日以上の時間を要する。しかし、一方で男性の方はと言えば、別の女を抱くため息子を復活させるのに一日以上は掛からないだろう。つまり、性の道を極めようとするマラソンランナーのように、我々の志次第では、人生そのものを子孫繁栄のために捧げることも可能なわけである。

ただ、男が女を性交渉に応じさせようとするには、勿論男性自身の魅力も必要だし、さらにはその後数年間の生活を想像させる財力や口説き文句も必要であるだろう。世の一般的な男性にとっては残念なことに、このウロの公爵の末裔を名乗る男は、それらのすべてを持ち合わせていたようなのだ。

彼が自身の「王国」を築き始めたのは、ディレリアとエロイーズの国境のラブネシア、と呼ばれる地域だった。当時そこは、イス帝国を支配したミラジ教徒の脅威からディレリアの首都、アルセムを防衛するために、ナッソウの傭兵部隊が駐屯している地域だった。荒くれ者ばかりのナッソウの傭兵による略奪のため、付近の村々は困窮し、兵士による強姦事件なども跡を絶たなかったと言う。その、一時的な「難民キャンプ」に、救済者としてマッソンは現れる。

彼は豊富な財力と自身の保持する警備兵で以って、瞬く間に付近の住民を慰撫し、そこにいる女性たちを「ハーレム」に組み込む。そこで妊娠が発覚した女性たちは、これもまた自動的に、安息して子供を埋めるようにウロにある居城に母子ともども輸送される。

このような調子で、マッソンは紛争地域や一揆のあった寒村にばかり顔を出し、女性たちに安心、を与える代わりに自身との関係を迫るのだった。その総移動距離は50万キロ以上にも及び、自身の子を孕んでくれる可能性のある女を求めて、ある時はバルシアンの海沿いの街を、またある時はアルラーフの牛臭い納屋に至るまで、マッソンは下腹部を屹立させたままフロウタール全土を走り続けた。

その結果、彼が自身の子供を孕ませた女性の数は、なんと、1296人にまで達したと伝えられている。女性と子供は、ウロにあるマッソンの居城で手厚く保護され、彼自身のコレクションとして記録されるままに、何不自由なく暮らしていたという。

だが、この話にはさらに続きがある。既に故人、であるマッソンの命運を探るまでもなく、マッソン自身の保持していた彼のコレクションは、半数以上が命を奪われ、半数以上が命を付け狙われたままの状態でフロウタールの各地に散り散りになっている。

その話の過程で表れてくるのが、レプリカント、と呼ばれるエロイーズとディレリアの共同開発地帯で、ここは始め、パルベサイツ家と結びついたマッソンが自身の家族を住まわせるために指定しようとした避暑地のような場所だった。

実際、ウロからそのレプリカントの周辺地域へ、マッソンと女と子息らはほとんどが移り住みかけていたらしい。ただ、ここで唐突に障害が発生する。

その障害こそが、現在ではペリファレル・ディレイター(末梢の抹消)財団、と呼ばれる暗殺者組織である。彼らは、初め自身の想い人をマッソンに奪われた男性たちによる復讐を実現するための集団であり、一人ひとりではとても金持ちの財と権力に太刀打ちできない若者たちが、マッソンとその家族を殺すために金を出し合って殺し屋を雇った時点に端を発している。

この末梢の抹消財団、がその後どのような組織に変貌していくかの詳細は別記事に譲るが、本稿に関わる結果だけを述べると、レプリカントの仮住まいに移り住んでいたマッソンの家族たちは、前述したように、マッソンともどもその半数以上が殺されてしまった。まさに、以後の次代に伝えられてゆくべき家系図の「末梢」は、財団に雇い入れられた色相の転換者たちの手によって、速やかに抹消されてしまったわけだ。

こうして、フラウド・マッソン当人による、世界全地域妊娠計画、は、彼自身の巨物が根本からぽっきりと折れるように、道半ばにして頓挫してしまった。とは言え、まだ数百人以上の彼の子孫が世界には存在するわけでもあり、ペリファレル・ディレイターによる殺意の続行ともども、計画の遂行と挫折自体は、現在進行形の状態であるとも言える。

(かつての)日々の行動と能力

1 女性と性交渉する

2 牡蠣とスッポン、マカなどを摂取する

3 自身の孕ませた女と子供の名前を覚え直す

4 妻たちへの新たな衣装を設えさせる

5 自身の悪評に怯える

6 新たな体位を考える

SPECIAL
4696540
闘争華美飽食享楽不寛勤勉渇望
1131
空間時間
33
保持スキル性技説得

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