バグまみれのFallout76に疲れたとき、Kenshi正式リリースが着たので改めてやってみたら、神ゲーでした。初めのFontスライダーバーが上手く動かないからと言って、折れないで下さい(笑)。以下はその手短な改善策と、簡潔な導入、紹介記事です。
と言っても、setting CFG ファイルをメモ帳で編集して、Font size の項目の数値を入れ替えるだけ。(念の為、導入は自己責任で)個人的には24くらいがいいんじゃないかと思っています。でかすぎると文字が見切れるし、小さすぎると見にくいですからね。
で、このゲームはこの辺のある種の不親切さから、既にプレイが始まっていると言えるかもしれない、というのがこっからの記事の内容です。敢えて不自由に作ってある、というか、あんまり導入が至れり尽くせりじゃないところが、このゲームの本質でしょう。
例えば、elonaとか、Mount & Blade とか、自分は、ハマれそうなゲームは極力WIKIらずにプレイしようとするんですが、このゲームはまさにそうした系統に連なる、ローグライク、サンドボックス、拠点構築シムと言った要素を含む、放り出される系のRPGの名作中の名作でしょう。だから、こんな記事書いといて何なんですが、極力前情報入れないほうがいい。はっきり言って、プレイすればするほどその深さに気付かされるはずですから、まずはご自分で数時間ほど弄ってみるのが賢明かとも思われます。
ただ、一方で最序盤がマゾすぎて何をしたらいいかわからない、と言った部分もありえるかと思われますので、ここではTIPSというより、その後5~10時間程度遊んだ末に訪れるであろう、ゲームとしての根幹部分、魅力に触れるのに留めておこうと思います。他方で、実際のプレイレポに関しては、
を参考にさせて頂きました。
実のところ、私は半年ほど前にこのKenshiを購入し、ちょっと触れてそのまま放置してたんですが、再度、上記のじゃばらさんの記事を見てプレイし直してみようと思った次第です。俯瞰視点のゲームではあるんですが、個人のプレイヤーキャラの視点が如実に顕れていて面白いので、もし興味のある方はそちらも参照してみて下さい。
1 NPC AI のオートメーション化
で、こっからは具体的なゲーム自体の考察になるのですが、まず、NPCに命令与えて、自動で動かすのが面白い、ですね。
初めは一人でひたすら鉄鉱石掘るしかやることがないんですが、上の画像のように、鉱山近くに拠点を建てて、そいで鉄鉱石用の保管庫を作れば、延々と自動で堀り続けられる。そして、その鉄鉱石を製鉄して、できた鉄板を利用して刀を作り続け、武器鍛冶スキルをどんどん向上させる、という所まで、全部自動化出来ます。
同様に、麦からパンも作れるし、パンからダストウィッチまで作れる(笑)。ただ、ここまで来るだけで30~50時間は過ぎてると思いますが、この、効率化のために無限に時間をかける、という所が、Kenshiの遊び方の本質のうちの一つだと思います。
要は、その究極効率の、ための失敗経験こそが、ゲーム自体を構成しているわけですね。与える命令自体も、一つ順番を間違えると全く機能しないし、他方で、完全な自給自足を目指すとなると、レシピや技術の研究、拠点防衛の仕組みまで必要になってくる。
この辺りを始めから十全に可能なように作るのではなく、むしろ、「成功」までの道のりがめちゃくちゃ遠いというのが、このKenshi、というゲームの魅力です。なにか一つ例を挙げるとすると、既に書きましたがelonaが一番近いと思います。初めは失敗ばかりで何もうまくいかないからこそ、一度目の成功やその後の技術向上が貴重なものに思えてくる。
その辺りが、AIの設定に関しても生かされている、というわけです。上手く設定しさえすれば、はじめから全てが自動化されるわけではなくて、NPC側のスキルであったり、人員構成、拠点の立地など、プレイヤー側が積み上げたものがあって初めて、上からの命令が上手く機能しうる素養が生まれる。
だから、
我々はこのゲームを拠点構築シムとして楽しむとき、そこにはただ単に自動化のための工夫があるのみではなく、多くの失敗経験を含む、絶えざる「間違い」の是正のもとに積み上げられた、複合的な知性体のようなものが出来上がっているのです。
ここの点は非常に巧妙ですね。単に、優先順位を付けて、「戦略」を組み上げるという意味では、ジャンルは全く違いますが、RPGにおけるガンビットシステム、のようなものも浮かび上がる所です。(もしくはシミュで言うとFootball Managerとか)
ただ、今回のKenshi、の場合は、そうした戦略の優先順位の決定の行き着く幅は、パーティーメンバーや選手の能力ばかりではなく、どこに何が落ちていて、交易所としての都市との距離感はどの程度であり、どのくらいの頻度で野盗が襲ってくるかなどの諸問題とも関係してくる。つまり、荒野に戦略性の地図を描くようなものですよね。その中で選び取られた「最適解」が、とりあえず食料と電力を補充し続けるさまを目の当たりにするのは、かなり快感です。そして、そこを拠点に、また新たな場所に出かけていく、というね。
2 部隊の区分によるマルチカメラ感
↑拠点で麻作りを行っている間に、世界を探索
で、序・中盤版にかけてさらにメンバーが増えてくるとき、このゲームの2つ目の本質が浮かび上がります。それは、全く別の場所で起こっていることを、同時に俯瞰するのが可能であるということですね。
一応、俯瞰、と書きましたが、Havok で作られたこのゲームは、3d的な外形を伴っていますからね。そうした物理演算される要素を持ちつつ、二つの場所で起こったことを同時に繋ぐ、というのは、意外と今まで無かったんではないかと思いますね。部隊数さえ増やせば、二つと言わず3つでも4つでも、その分だけ同時に起こりうる事態、経験しうる出来事の数は増えていくわけです。これを切り替えられるのが面白い。
一方その頃、ばかりで話の前に進まないゲームも困りものですが、どの視点をどれくらいの加減でプレイするかも、Kenshiの場合は思いのままですからね。例えば、前項のように拠点側の生産を完全に自動化させて、その間に旅立つのも良し、もしくは、完全に二つに並列化された部隊を同時に探索に進ませるのも、緊迫感ありすぎですがまた良いでしょう。
この感じを他のものに例えようとすると、まあナメック星とか、グリードアイランドとか、ああいう多視点で事件が起こっていく漫画の感じね。これをRTSっていう神目線ではなく、もう少しプレイヤーキャラの体感に近い感じ、一人称視点に近い感じの三人称視点でプレイできるっていうのが、パーティー編成型RPGとしてのKenshiの本質であるでしょう。
3 ディストピアを完全実現した広大なオープンワールド
上記、視点の問題とも直接関わってくるのですが、
このゲームは世界観設定も完璧です。
ひとまず画像をペタペタと何枚も張ってみましたが、日本と未来世紀ほど相性のいいものって無いですよね。あと、やっぱり農業とか文明に近いものは完全に崩壊して、鉱物資源、巨大な無機物としての星の所在そのものがむき出しになっているような印象がある、
↑唐突にキリンみたいな動物に襲われる図。恐怖しか無い。
いや、本当、よく考えたら、人類ってよくこの星の生き残ってきましたね(笑)。河川と少量の資源しかなく、そこから文明を形作っていくことの大変さが、逆説的なことですが、このゲームをやっていると良く分かります。
また、四肢の欠損、という要素も非常に痛々しい。上には敢えてその説明文のみの画を貼っときましたが、プレイヤーキャラクタが倒れてもゲームが続き、その過程で体の各部位が失われる可能性があり、それでも生きられる場合もあるし、逆に血液が損なわれてそのまま死亡する可能性もあり、且つ、キャラが死亡してもゲーム世界は続いていく、というのが、あまりにも有機的・無機的であり、このゲームのリアルなところでもあるのでしょう。
だからこそ、やはりRTS、とは言い切れない部分も大きいと思います。このゲームは、事態をそんなに客観的には俯瞰できないんですよね。それよりも、部隊を分けて各人物の集合した場面に視点を切り替えるとき、やはりそれぞれの場所に息づいたキャラの気配に引き込まれてしまう。さらに画像を貼ると、
ここまでレベル上げて装備を強化したからもう大丈夫、と息つく暇もないほど、マジで見るからに恐ろしいエリアでいっぱいです。というか、筆者自身まだ序・中盤なので全体を把握しきれてません。
さらに付け加えると、これ、MAPの移動にかかる時間がめっちゃ長いですね。最速設定で踏破させたとしても二時間くらいかかるんじゃないか。例えばSkyrimなんかは、日本の市町村くらいの規模しかねえな、って感じてしまうこともしばしばなのですが、このKenshiに関しては、マジで佐渡ヶ島くらいの規模感はある。いや、微妙な差ですが、この差はかなり大きい。脳内でバフする必要ないっていうか、うわっ、まだ全然着かねえじゃねえかよ、っていう絶望感が、何か恐怖のエリアに足踏み入れちゃった時に降って来得る。
↑一方で荒廃した田園風景もあります。
まあ、何にしても、Kenshi最高、ってことですね。何回も繰り返しになりますが、この手探り感、強化しても強化してもさらに先がある感じ、初めがかなりマゾい感じなんかは、elonaにそっくりだとも思う所です。
また、プレイしていくごとに印象の変わる感じは、やっぱりMount&Blade に近い。ただ、Mount&Blade は戦闘がありえないくらい面白い代わりに、一方で飽きがくるのも早い部分もあったかと思われますがKenshiは戦闘にアクション性がない代わり、サンドボックス、RPGとしての自由度はかなり深いと感じています。
本当に、プレイしていく人のやり方、スタイルによって、無限の可能性があることでしょう。初めは、私はMAPとかランダム生成かと思ってたのですが、固定されてるっぽいし、そして、その固定のされ方が、また自然と自由度の中にロマンチックな展開を感じられるように仕組まれてもいる。
というわけで、ひとまずこのままプレイを続けていこうと思います。そして、何も調べずに自分なりにこのゲームの全体像を掴んでみたい。そんな思いにさせられるゲームに年の瀬になって出会えてよかったです。
ではまた。
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