既に語られなくなって久しいアイドルの「恋愛禁止」。この項では、何故アイドルの恋愛禁止 自体が返ってタブー視されてしまうようになったかについて検証していきたいと思います。(以下の内容はすべてブログ筆者の主観であり、特定の個人を想定して書かれたものではありません)。
1 現在の恋愛禁止事情
まあアイドルの恋愛禁止、という考え方自体が廃れてしまっていることは、この記事をお読みになっている殆どの方は気付いていることと思われます。(試しに好きなアイドルの名前 指輪などで検索してみれば、色々調べられたりするかもしれません。勿論、それが何の証拠にもなりませんが)。
ただ、一方で、筆者自身はアイドルの恋愛禁止について、むしろ寛容な態度を取りたい、とも初めに表明しておきます。
というより、(上の指輪の件がいい例ですが)ことは昨今巷を賑わしている芸能人の方々の不倫と同様で、そもそもアイドルが恋愛をしているか、否か、厳密には検証しようがない、というのが実情であろうとも思われるからです。
だとすれば、恋愛についてかなり具体的な現場、が激写されない限り、たとえばタレントとタレントの密会、レベルであれば、いかようにも言い逃れが出来るし、言い逃れが出来るようなケースであれば、むしろ説明自体をしないでしょう。
明確な「違反」の証拠がないうちは、信じていられる。もちろん全ての信用や信頼はそのようなものだと思われます。
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ここで、具体的にどのアイドルがどう、とか、名指しするような言及は避けたいのですが、かつてはそう言ったいくつかの「恋愛禁止違反」が立証されるような状況に対して、アイドルの側はファンに対して明確な謝罪や説明を行ってきました。
ある種の違反者を裁くような格好で、グループ全体、アイドル業界全体に行き渡っていたように見えた恋愛禁止、という信条は、ある時点を境に、ファンの間でも、当のアイドルたちの側からも進んで表明するような信念ではなくなってしまいます。
このある時点、がどこかという問いに関しましては、それこそアイドルを応援しているファンの皆様方ごとに、ああ、あそこね、という幾つもの答えのヴァリエーションが存在するもの、とも思われます(あの、アンサーソングが歌われた時点、とかね)。
ですので、時系列上の検証を施すことはここではしませんが、一つだけ言えるのは、
最早アイドルを応援する多くのファンの中で、アイドルの存在そのものを規定するような絶対条件として、「恋愛禁止」という条項が措定されていないことです。
勿論、ある種の「プロ意識」として、誰に強制されるでもなく、未だに恋愛そのものへの禁止を自身に課しているアイドル様たちは実際多くいらっしゃると思います。また、それを信じて応援しているファンの方も、かなりの割合なのではないかな、とも思われます。
ただ、それが表立って言及されることは無くなってしまった。(そういうことを考えること自体が寒い、みたいな)。疑うことすら許されないある種の信仰、のようなものが、わたしたち、アイドルを信奉するファンの側には漂っているのではないでしょうか。
実際、今上に述べたようなことはファンの間、大衆の間では自明なのです。だからこそ、恋愛禁止、というテーマは、最早問題にこそされないし、仮に自分の応援するアイドルが何処かで誰かと会っていたとしても、闇雲に詮索せず、表面上、分からない限りは疑いなく応援し続ける、という態度が、ファンにとって一般的なものだとも思われます。
2 アイドルとフェイクリング画像
……だったらいちいち証拠も何もないこと書くんじゃねえよ、と言われそうなんですが、この記事を書くための動機となった事柄はもう一つあります。それは、冒頭にも述べた、アイドルが左手の中指などによくしている、フェイクリングの問題です。
ここで言うフェイクリングとは、まあ皆さんの職場の同僚とかでもしている方はおられるかと思うのですが、魔除けみたいなもんですね。職場なり、社交場なりで異性から自分に簡単に声をかけないようにさせる、かと言って自分から彼氏います、と言明する必要のない、できれば空気読んでくれる? っていう暗黙の了解のような、アレです。
この「フェイクリング」と、アイドルの恋愛禁止には密接な関係がある、と筆者は考えます。なぜなら、どちらも「暗黙のうちの了承」を強いるものだからです。
つまり、別に私は指輪してるだけだけど、場合によってはそれが彼氏いる証明の可能性もあるわけだから、あんまり気安く話しかけないでね、っていうフェイクリング側の効果と、
他方で、恋愛禁止自体は最早議論すらされていないことだし、ばれない範囲では私たちも自由にさせてもらうけど、かと言って自分から「~~と付き合ってます」とかいう必要はないから、その辺は大体空気読んでね、っていうアイドルの方々の態度は、完全に対応しているのです。
その2つの要素が、完璧に結合したある種の「証拠」が、アイドルの中指や薬指や小指にきっかりと嵌められた指輪の画像、です。これを何らかの拍子に見てしまった瞬間って、本当に悲しいですよね。
「~~よ、お前もか」って、そういう時に私は必ず心の中で呟くんですが(笑)、友人の女性とプライベートで旅行に出かけた時だとか、ストリーミングに幾人かでやってきて外し忘れ、結局あとになって放送の途中で外したりだとか、(いや俺が粘着し過ぎか)マジで悲しくなる。
そこは外しといてくださいよ、と。勿論、普段使いでしてるんだったら、いちいち写真取るときだけ外すなんて面倒くさいし、仕事上、メンバー同士で自撮りし合う状況以外は、「プロ意識」としてそれを外すのも骨が折れる。だから、まあ指輪くらい、別に普通に彼氏とかじゃなく個人の願掛けとしてすることだってあるわけだし、このままにしとこう、という空気感が画面上、画像上に充満している。
繰り返しになりますが、これらのことは全て、何の証拠にもなりません。実際、小指にはめるピンキーリング収集が趣味のタレントさんも多くいらっしゃるでしょうし、指輪の選定自体が趣味のアイドルさんだってたくさんいる。逆に言えば、そうした「回避」のための説明と、「薄々、気付いてね」っていう雰囲気の漂わせ方の、両方を兼ねられるっつうことが、この指輪のたちの悪い所ですね。
この指輪、普通にしてます、別に何の問題もなく、それ晒します、っていう慣習が一般化してしまったことがまず悲しい。そして、それを、問題にするファンすらいなくなってしまったことが、二重に悲しい。
いや、普通に恋愛禁止、できないのは百歩譲ってしょうがない、と思ってます。ただそれを、わざわざファンの側に薄々見せびらかす必要なくないですか。
ふいに「流出」してしまった画像を通して、推しのメンバー(その人自身)の異性交友の可能性を、すんなりファンの側に了承させる必要は無くないですか。
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こんなことを書くこと自体が無力であることは百も承知です。というか、マジで今の俺自体が100%、キモい、でしょう。本当にこればっかりはどうしようもないから。
ファンのそれぞれが、その指輪装着画像(もしくは動画)、を見たときのショックを、誰に話すあてもなく数日の間抱え、マイナスの印象が、徐々に消え去っていくのを待つ、しか、この「事件」に対処する方法は実際の所ないんでしょう。
3 ファンの側の取りうる態度
って、書きながらちょっと感情移入しすぎてしまいましたが、気を取り直して考えますと、要は、ファンの側が自分でこういった事態について考えていくしか話を前に勧めていく方法はないわけです。
ですので、ここからはファンの側、でとりうる恋愛禁止&フェイクリング問題に対する
考え方や対応について幾つか書き記したいと思います。
最早、恋愛禁止を語ることすら許されないのだとしたら、わたしたちはどうやって、今現在のアイドルの指輪画像、その他の事情と向き合っていけばいいのか。
1 アイドルが恋愛していないことを信じる
まずはじめに提示されているのはコレ。要は、余計なこと考えない、ってことですね。確かに、これがシンプルで一番いい。そもそもライブや握手会、テレビその他のメディアでの活動にこそ注目すべきなんであって、その他の不必要な詮索などするべきではない。この態度が、今現在、最も一般的なファンの姿勢であると言えるでしょう。
2 恋愛禁止、を厳密にアイドルに対して求めていく
次に提示するこちらの主題は、これは……、全く現実的ではないはずです。というか、おそらくこのことを話題にしようとしても、仲間であるはずのファン自体にまずは相手にされないはずです。単純に、「何お前お寒いこと言ってんの」、という話。今まで散々述べてきたことですね。他方で、個人でなにか発信することは可能でしょうけれども。
3 恋愛そのものの有無にかかわらず、アイドルを応援していく
というわけで、この、最後の選択肢を私自身は推奨したいのですが、まあ、なかなか難しいですよね(笑)。やっぱり、アイドルに対しては異性としての視点、セクシュアリティの魅力をも含めて見てしまうのが当然といえば当然ですから。(勿論、そうでない方もいるでしょうが)
であるとすれば、特定の異性を相手にしている、っていうのは流石に受け入れがたい部分もあるはずです。逆に考えると、もしそのアイドルが異性と付き合っているような噂が流れようと別に気にならない、という場合、あなたがそのメンバーを応援している理由は、異性としての視点とは別のところにある、ということになりますね。
4
恋愛禁止、を通して、
アイドルに対する自分の中の異性愛について認識する
おいおい、3が最後なんじゃねえのかよ、と言われそうですが、この4番目の選択肢は、読んで頂いてお分かりのように、3から派生したものになります。
要は、ファンとしての信仰心を確認しよう、というわけですね(笑)。なんと言っても相手はアイドル(偶像)ですから。3で述べましたように、この、恋愛周りの件について、自分の推すメンバーの身辺で囁かれても、全く気にならない、という方は、ある意味でファンの鏡、というか、異性愛を一切差し挟まずにそのアイドルさんを応援している、ということになるんでしょう。
逆に、うおおー、超ショック、マジで嫉妬するー、という方は、そのアイドルさんを異性愛も含めて応援している、ということになる。つーか、こっちが普通といえば普通の気もする。いや、あなたは正常です。ただ、今現在の恋愛禁止事情と、その「正常さ」をつなぐための説明を誰もしてくれないだけで。
というわけで、ここまでアイドルの恋愛禁止についてざっ、と考察してきましたが、最後にブログ筆者のなりの結論を申しますと、やっぱり、あんまり触れるべき話題ではないような気がしますね。
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ファンの側で取りうる有効な選択肢、論理的に完全な理解、というのはなかなか結論を出すのが難しい所です。
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一方で、最後にも書きましたが、このテーマを思考してみることで、自分がそれぞれのアイドル様たちをどのように応援しているか、について明確化することができる。とも思います。
じゃあオメーはどうなんだよ、と問われれば、私自身は、やっぱり異性愛無しでの応援はできないと思いますし、一方で、「あ、~さんめっちゃ指輪してる、いい人がいるのかな、良かったね」、と、割り切って捉えられるメンバーも居るにはいるんでしょう。(あくまで個人的な話ね)
その辺は人によってそれぞれでしょうが、何にしても、この問題の中で、アイドルの側の態度というより、ファンの側の信仰心が試されていることは間違いがないでしょう。
あとは上に示したように、
1 ただただ盲信するもよし、
2 意見を自分なりに表明するもよし、
3 強い信念を突き通すもよし、
4 信仰心そのものについて思考するもよし、
と言った所になってくると思います。
いや、そんなこといちいち考えるやつ一人もいない、って言われれば確かにそんな気もしますし、あんまり調子に乗るな、って言われそうなんでこの辺にしておきたいとも思う所です。
ではでは。
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