初めから世界の「大枠」を決めない、ということを意図して生成を目指すMimesis of Frautalですが、ただ0だと何も決めようがないので、すでに決まっていることのうちの必要最低限の設定だけを、予め幾つか提示しておきます。
以下の内容は、ランダム生成されたキャラクタが一定程度増えた段階で、タグで整理され直す可能性があります。その手前の最小値とお考え下さい。
1 ザン教
振動書、という書物を聖典とするフロウタールの世界宗教。音による聖典の演奏を最も重要な儀式としている。
世界の「捉えられ方」は人間の認識そのものの限界に依存する、という現代の我々にとってのカント的な考え方と、思惟と延長の平行論としてのスピノザ的な世界解釈を同時に持ち、その中で知性を充実させることこそが信仰の拠り所であると考えている。
特異な点としては、空間と時間という我々の世界にとっての直観に当たるものを神として概念化し、世界は空間神と時間神による知性の奪い合い(認識のさせ合い)の様相を呈している、と捉えているところである。
また、それら空間神と時間神のそれぞれの神の知性を充実させるために、フロウタール全土の地域を6つに分け、エロイーズ、パルス・プラント、イスは時間神のために、ディレリア、スレッド、ハングヘッドの諸地域は空間神のために、人類にとっての「原罪」を表現するべきだ、と定義していることも、現代の我々にとっては奇妙に映る所です。
2 諸地域の原罪
上記、空間神と時間神のための知性を表現するために、フロウタールの各地域には対応する人類にとっての原罪が割り当てられています。具体的には、
1 エロイーズ=華美(地図の右上に当たる部分)
2 イス=不寛容(地図の左部分)
3 パルス・プラント=飽食(地図の真ん中下)
4 ディレリア=享楽(地図の真ん中上)
5 スレッド=闘争(地図の右下)
6 ハングヘッド・アイランド=勤勉(地図の左下の島)
となります。1~3が時間神の神性の表現、とされ、4~6が空間神の神性の表現、とされます。
3 色相の転換者
上にも書きましたように、フロウタールの人民は原罪とされる我々の世界にとっての悪徳のようなものを、積極的に表現することこそが信仰として要求されているのですが、その中でも特異なのが色相の転換者と呼ばれる存在です。
彼ら(彼女ら)は、性交をしても子孫を残せないのですが、代わりに心を許しあった者と性交した際、互いの記憶を伝播させることができます。
この瞳を通して流れ込む記憶、の領域は多岐に及び、中には性交した相手の忘れ去っていた記憶まで吸収してしまう者もいるようです。
この結果何が起きるかと言うと、これはゲーム上の設定なのですが、いわゆるスキル、や能力と言ったものの一部を、相手から受け継ぐことができます。要は、子供に能力を遺伝させる代わりに、自身で性交者との能力の移し替えを実行できるのです。
4 ヴィジョン
フロウタール北方のパルカンテ諸島に住む、時間認識をしない(空間のみを認識する)諸部族。死の間際に見たものを、頭蓋骨の中に記憶しておくことができる。
それらの「走馬灯の記憶」は、これも奇妙なことですが、宝玉のようになった眼球を眼窩にはめ込むことで再生されます(記録時間は個体ごとに異なる)。
また、意図的に特定のシーン撮影のために「殺された」ヴィジョンは商用のヴィジョンと呼ばれ、フロウタールの各地で上映されています。
5 記憶=投射法
上記の先住ヴィジョンの脳の仕組みを、スレッド諸邦の「静謐派」と呼ばれる修道士たちが模倣して体得したもの。自分自身が死ぬ間際の映像を頭蓋骨に記録しておくことができる。
冒険者たちは、彼らの修行と実験の成果の確認のために、彼ら自身を連れ歩き、不運な自分たちの旅の終わりに、また新たな旅に立つ冒険者への教訓として、「死因」を記録した頭蓋骨をその場に残すことが一部のギルドの常識となっている。
以上となります。これ以上の細かな設定もあるにはあるのですが、それだけを書き連ねていても、ある種、神目線のつまらない話になってしまうので、ひとまず控えます。無名NPCの設定を別項で提示したR.P.S.の仕組みで増殖させた後、徐々に外形を整え直していければいいな、と考えております。では。
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