VR1120年生まれ 男性
冷めては固くなり、熱すれば解けてゆく、というのが世の中の物質の一般的な理だろうが、冷えれば冷えるほどやわらかくなり、温めれば温めるほど固くなる器官も存在する。
来歴
ラモン・ソラシドは、その自身の下腹部の持つ特性を最大限活かし、クレイオンの港町で、かなり破廉恥な奇術ショーを行うことで生計を立てる道を模索した。
今日ではメルネスやユルト、ディレリア全土を巡るほどにまで成長を遂げたその興行とは、「ソラシドのディレリア王への謁見」と呼ばれるもので、ショーの上演時間自体は非常に短い。ただ、そのあまりの馬鹿馬鹿しさと、一瞬で励起するソラシドの愚息の形状の美しさ見たさに、婦女子のみならず同性や引いては子どもたちにまで人気の演目になっているというのが、特にディレリアの海岸都市の舞台での実情である。
たかだか十五分ほどの実際の演目の具体的な内容とは、まず第一幕が、「ソラシドの愚息の柔軟性の証明」と呼ばれるもので、これからこの世のどんな物質よりも固くなる、とされる肉の棒が、まだまだ冷え切った状態においては、如何ようにも引き伸ばしたり、捻じ曲げたり、ぷにぷにと肉感を触って確かめた後も、元の形状に戻ることが確認される。
次に、第二幕においては、「ソラシドの愚息の強靭さの証明」が示され、一時的な衝撃、破壊に対する抵抗を、ソラシドの屹立した下腹部が持っているかどうかを、入念に準備され、今や最大限にまで膨張した高さ21センチにまで及ぶそそり立った器官に対する鉄の棒での仕置において試される。
この余りに痛々しく、人によっては眉をしかめざるを得ない光景とその展開についてさらに述べる前に、ファンの間ではある意味で「お約束」になっているショー自体の楽しみ方について述べておかなければならないだろう。
ソラシドと、ソラシドの弟子の一人によって執り行われるマゾヒスティックなショーの内容は、ほとんどが客側の失笑を前提とした茶番に過ぎない。むしろ、特にソラシドの固定女性ファンにとっての見所は、この第一幕から第二幕に移っていく直前の、ソラシドの肉の棒がまさに剛直に変じていく形状変化の、徐々に昂ぶっていくその過程である。
二つながらにして寄り添う金玉と玉ふぐりの柔らかみは維持されたまま、その根本から先端までが血液の充填によってそそり立っていく感応を、女性ファンたちは一体誰を見てそれほどまでに興奮したのだろう、などと予測して、熱狂に包まれた場の興奮に、ソラシドと自身と弟子の美青年ともども巻き込まれていくように感じるのである。
極端に反り返り、日光を浴びて急激に成長した彼の茎自体は、まさに学校における性教育の授業の教科書に乗せても遜色ないような代物で(彼のショーを見た観客は皆こう口を揃える)、標準的であり、且つ凹凸の中に健全な生育を感じさせる理想的な一品であった。その剛直をぴしぴしと弟子に鉄の棒で打たせながら、「はっはっはっは、こんなものではわたしの代わり身はびくともせんわい」、などと宣いつつ、ラモン・ソラシドと彼の弟子による上演は最終幕に突入していく。
「ディレリア王への謁見」という劇名の通り、ショー自体はソラシドの弟子が王を演じ、その王の前でソラシド自らが自身の下腹部の剛直を披露する、という設定で展開されていくのだが、最後に王は、ソラシドの対応できない、ある強度の確認を下腹部に施すことを命じる。
それが、「引っ掻いたときの傷の付きにくさ」としての、硬度の認証であり、王が八面体の蛍石を用意させようとすると、ソラシドはなんだかんだと言い訳を募り、最後には一度用を足さなければならなくなった、として逃げ出してしまうのである。
この、小便をしているうちにあの剛直は全く失われ、ある程度の柔らかさを伴うようになってしまったのでもう実験はできないのだった、というオチは、ショーを見たことのない者までもが知っている、一つのテンプレである。勿論、それまでのお約束を打ち破る新たな展開を求める者もいるだろうが、多くの彼のファンは、彼の下腹部が傷つけられないまま、これからもこの馬鹿馬鹿しいショーを上演し続けてくれることを願っているのだ。
そのような調子だったので、クレイオン出身のラモン・ソラシドは、ディレリア中で名前を知らぬ者はいない、とまでは行かないまでも、顔くらいは見たことがある、程度の、まあまあの人気者になっている。何より、直接は答えにくい性の問題や器官のことを、ソラシドのショーを通してならユーモアを交えて説明できるし、であるが故に、小さな子どもたちは町中に偶然ソラシドの姿を見ると、自身のかわいらしい一物を見せつけに来たりするのが、ユルトやメルネスの日常的な光景のようである。
日々の行動と能力
1 愚息を鍛える
2 様々な角度からの反り返りを確かめる
3 特定のファンからの好意を軽く受け流す
4 子どもたちと遊ぶ
5 弟子たちといっしょに筋トレをする
6 弟子たちと一緒に発声練習をする
S | P | E | C | I | A | L |
6 | 7 | 6 | 6 | 1 | 5 | 6 |
闘争 | 華美 | 飽食 | 享楽 | 不寛 | 勤勉 | 渇望 |
5 | 1 | |||||
空間 | 時間 | |||||
1 | 5 | |||||
保持スキル | 演技 | 露出 | 剣技 |
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